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Django v1.0 documentation

データベーストランザクションの管理

revision-up-to:8961 (1.0)

Django はトランザクションをサポートしているデータベース向けに、トランザクショ ン管理を制御する方法をいくつか提供しています。

デフォルトのトランザクション処理

Django のデフォルトの挙動では、組み込みのデータ変更に関わるモデル関数を呼び 出したときにはいつでも自動的に commit を行います。例えば、 model.save()model.delete() を呼び出すと、変更は即座にコミットされます。

これはほとんどのデータベースにおける自動コミット設定とほとんど同じ挙動です。 すなわち、ユーザがデータベースへの書き込みを必要とするような操作を行うと、 Django はすぐに INSERT/UPDATE/DELETE 文を実行し、次いで COMMIT を実行します。暗黙のロールバックは行いません。

HTTP リクエストとトランザクションを結び付ける

TransactionMiddleware を介してリクエストとレスポンスのフェイズにトラン ザクションを結び付けるというものです。

このトランザクション処理は次のように行われます: まず、リクエスト処理の開始 時にトランザクションを開始します。レスポンスを問題なく生成できたら、全ての トランザクションをコミットします。ビュー関数が例外を送出したら、ロールバッ クを起こします。

この機能を有効にするには、 TransactionMiddleware ミドルウェアを MIDDLEWARE_CLASSES 設定に追加します:

MIDDLEWARE_CLASSES = (
    'django.contrib.sessions.middleware.SessionMiddleware',
    'django.middleware.common.CommonMiddleware',
    'django.middleware.cache.CacheMiddleware',
    'django.middleware.transaction.TransactionMiddleware',
)

スタックの配置順はとても重要です。トランザクションミドルウェアは呼び出され るビュー関数だけでなく、後続のミドルウェアモジュール全てに影響します。従っ て、セッションミドルウェアをトランザクションミドルウェアの後ろに配置すると、 セッションの生成はトランザクションの一部に入ってしまいます。

例外は CacheMiddleware です。このミドルウェアは影響を受けません。 キャッシュミドルウェア自体は独自のデータベースカーソル (このカーソルは、内 部的には独自のデータベース接続上にあります) を使います。

ビュー内でトランザクションを管理する

ほとんどのユーザにとって、非明示的なリクエストベースのトランザクションは素 晴らしい働きをすることでしょう。しかしながら、トランザクションの管理方法を より詳細に制御したい場合、Python の関数デコレータを使って特定の関数のトラン ザクション処理を変更できます。

Note

下記ではビュー関数を例に取ってはいますが、以下に述べるデコレータはビュー 関数でないものにも適用できます。

django.db.transaction.autocommit

ビュー関数のトランザクションの挙動を、グローバルな設定に関係なく Django の デフォルトの挙動にスイッチするには、 autocommit デコレータを使います。

例えば:

from django.db import transaction

@transaction.autocommit
def viewfunc(request):
    ....

viewfunc() の中では、 model.save()model.delete() 、その他デー タベースに書き込みを行う全ての関数でトランザクションを commit します。

django.db.transaction.commit_on_success

commit_on_success デコレータを使うと、関数内の全ての処理にわたるトラン ザクションを使えます:

from django.db import transaction

@transaction.commit_on_success
def viewfunc(request):
    ....

関数の実行に成功すると、 Django はそれまでの全ての作業を commit します。関 数が例外を送出すると、 Django はトランザクションを rollback します。

django.db.transaction.commit_manually

トランザクションを完全に管理したい場合には、 commit_manually デコレータ を使います。このデコレータは Django にユーザが自分でトランザクションを管理 しようとしていることを知らせます。

commit()rollback() を行わずにデータを変更した場合は TransactionManagementError 例外を送出します。

手動のトランザクション管理は以下のようになります:

from django.db import transaction

@transaction.commit_manually
def viewfunc(request):
    ...
    # commit/rollback を好きなタイミングで行えます
    transaction.commit()
    ...

    # ただし、自分でちゃんとやっておくのを忘れないように!
    try:
        ...
    except:
        transaction.rollback()
    else:
        transaction.commit()

以前の Django リリースを使っていたユーザへの重要なお知らせ:

データベースの connection.commit()connection.rollback() と いった関数 (0.91 以前では db.commit()db.rollback() と呼ばれ ていました) はなくなり、 transaction.commit() および transaction.rollback() コマンドに置き換わりました。

トランザクション管理をグローバルに無効化する方法

制御マニアの人は、 Django 設定ファイルで DISABLE_TRANSACTION_MANAGEMENTTrue に設定すれば、全ての自動トランザクション管理を無効にし、自分で トランザクションを管理できます。

この場合、 Django はいかなるトランザクション管理も行わなくなります。ミドル ウェアが非明示的にトランザクションを commit することはなくなり、自分でロー ル管理を行わねばなりません。さらに、何らかのミドルウェアで変更の commit を 自分で行わねばならなくなります。

従って、トランザクションの無効化は、自作のトランザクション制御ミドルウェア を実行したい場合や、本当に変わったことをやりたい場合向けです。ほとんどの状 況では、デフォルトの挙動かトランザクションミドルウェアで十分で、必要に応じ て特定の関数だけを変更すればよいでしょう。

MySQL でのトランザクション

MySQL を使っている場合、MySQL のバージョンと使っているテーブルの形式に応じ て、テーブルがトランザクションをサポートする場合としない場合があります。 (「テーブルの形式」とは、"InnoDB" や "MyISAM" などを指します。) このドキュ メントでは MySQL のトランザクションにまつわる説明はしませんが、 MySQL のサ イトには トランザクションに関する情報 が掲載されています。

MySQL 構成がトランザクションをサポート していない 場合、 Django は自動コ ミットモードで動作します。すなわち、 SQL 文は呼び出されたその場で実行され、 コミットされます。 MySQL 構成がトランザクションをサポートしている場合、 Django はこのドキュメントの説明通りにトランザクションを処理します。