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Django v1.0 documentation

フォーム API

revision-up-to:8961 (1.0)

このドキュメントについて

このドキュメントでは、 Django のフォーム API の細かい部分を解説していま す。まずは フォーム処理入門 を先に読んでく ださい。

束縛フォームと非束縛フォーム

フォームのインスタンスには、何らかのデータの集まりが結び付いた 束縛 (bound) フォーム と、そうでない 非束縛 (unbound) フォーム があ ります。

  • データと 結び付いている フォームは、データを検証機能する機能と、 フォームを HTML にレンダリングするときにデータを HTML 形式で表示する 機能をあわせ持っています。
  • データと 結び付いていない フォームには検証機能はありません (検証 すべきデータがないから当然ですね!) が、空のフォームを HTML としてレン ダリングする機能は備えています。

非束縛フォームのインスタンスを生成するには、単にフォームクラスのインスタン ス化を行います:

>>> f = ContactForm()

フォームにデータを結び付けるには、データの入った辞書をフォームクラスのコン ストラクタの第一引数に渡します:

>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)

この辞書の中では、キーは各フィールドの名前であり、フォームクラスの各属性に 対応しています。値は検証すべきデータです。通常、値は文字列にしますが、必ず しも文字列でなくてかまいません。値にどんなデータ型を指定指定できるかは、フィー ルドの型に依存します。

Form.is_bound

実行時に束縛フォームと非束縛フォームを区別したければ、フォームの is_bound 属性を調べてください:

>>> f = ContactForm()
>>> f.is_bound
False
>>> f = ContactForm({'subject': 'hello'})
>>> f.is_bound
True

空の辞書を渡すと、空のデータの入った 束縛フォーム を返します:

>>> f = ContactForm({})
>>> f.is_bound
True

束縛フォームのインスタンスに入っているデータに何らかの変更を加えたい場合や、 束縛フォームを変換して、何らかのデータの入った非束縛フォームにしたい場合に は、新たにフォームインスタンスを生成してください。フォームインスタンス内の データを変更する方法はありません。一度フォームインスタンスを生成したら、デー タの有無に関わらず、インスタンス内のデータは変更不能だと考えてください。

フォームを使ってデータを検証する

Form.is_valid()

フォームオブジェクトの主要な役割はデータの検証です。束縛フォームのインスタ ンスに対して is_valid() メソッドを呼び出すと、データの検証を 行って、その結果をブール値で返します:

>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)
>>> f.is_valid()
True

無効なデータを入れてみましょう。例えば、 subject を空にしてみます (フィールドは全てデフォルトで必須なためエラーになります)。また、 sender に不正なメールアドレス情報を入れてみます:

>>> data = {'subject': '',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'invalid e-mail address',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)
>>> f.is_valid()
False
Form.errors

errors という属性にアクセスすると、エラーメッセージの入った辞 書を参照できます:

>>> f.errors
{'sender': [u'Enter a valid e-mail address.'], 'subject': [u'This field is required.']}

この辞書では、フィールド名がキーに、エラーメッセージを表す Unicode 文字列のリ ストが値になっています。エラーメッセージがリストになっているのは、一つのフィー ルドに対して複数のエラーが存在し得るからです。

is_valid() を呼ばなくても errors にはアクセスで きます。 is_valid() を呼び出すか、 errors に最 初にアクセスした時点で、フォームのデータが自動的に検証されます。

errorsis_valid() に何度アクセスしても、検証 のルーチンはたった一度しか呼ばれません。別の見方をすれば、検証の処理には副 作用があり、その副作用はたった一度しか呼び出されないということです。

非束縛フォームの動作

データを含まないフォームに対して "cleaned" を実行しても無意味でしかありませ んが、参考までに非束縛フォームに対して行ったときの動作を示しておきます:

>>> f = ContactForm()
>>> f.is_valid()
False
>>> f.errors
{}

「クリーニング済み」のデータにアクセスする

フォームクラスの各フィールドには、データの検証だけでなく、「クリーニング」 を行う役割もあります。データのクリーニングとは、データを一貫性のある書式に 正規化することです。データのクリーニングはとても素晴らしい機能で、クリーニ ングを行うと、ユーザがフィールドに色々な形式でデータを入力しても、常に一貫 性を持った出力を得られます。

例えば、 DateField はデータを Python の datetime.date オブジェクト に正規化します。フィールドの値は、 '1994-07-15' のような形式の文字列で も、 datetime.date オブジェクトでも、その他の形式でも、 DateField は有効なデータであるかぎり、常に出力を datetime.date オブジェクトで正規 化します。

データセットの入ったフォームインスタンスを生成して検証を行うと、 cleaned_data 属性を介してクリーニング済みのデータにアクセスできるようにな ります:

>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)
>>> f.is_valid()
True
>>> f.cleaned_data
{'cc_myself': True, 'message': u'Hi there', 'sender': u'foo@example.com', 'subject': u'hello'}
Django 1.0 で変更されました: cleaned_data 属性は、以前のリリースでは clean_data と呼ばれてい ました。

CharFieldEmailField のようなテキストベースのフィールドは、常に 入力を Unicode 文字列に変換します。エンコーディングに関する解説は、このドキュ メントの後の方でカバーする予定です。

データが まだ検証されていない 場合、フォームインスタンスには cleaned_data 属性がありません:

>>> data = {'subject': '',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'invalid e-mail address',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)
>>> f.is_valid()
False
>>> f.cleaned_data
Traceback (most recent call last):
...
AttributeError: 'ContactForm' object has no attribute 'cleaned_data'

フォームを生成するときに追加の値を渡した場合でも、 cleaned_data の中に 入るキーは、フォーム内で定義されているフィールド だけ です。以下の例でも、 ContactForm のコンストラクタに追加のフィールドデータを渡していますが、 cleaned_data が返すのは ContactForm で定義されているフィールドだけで す:

>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True,
...         'extra_field_1': 'foo',
...         'extra_field_2': 'bar',
...         'extra_field_3': 'baz'}
>>> f = ContactForm(data)
>>> f.is_valid()
True
>>> f.cleaned_data # Doesn't contain extra_field_1, etc.
{'cc_myself': True, 'message': u'Hi there', 'sender': u'foo@example.com', 'subject': u'hello'}

cleaned_data には、 Form 内で定義されている 全ての フィールドのキー と値が入ります。フォームに渡したデータに、必須でないフィールドの値が入って いない場合でもです。下の例では、データ辞書には nick_name フィールドの値 が入っていませんが、 cleaned_data には空の値が入っています:

>>> class OptionalPersonForm(Form):
...     first_name = CharField()
...     last_name = CharField()
...     nick_name = CharField(required=False)
>>> data = {'first_name': u'John', 'last_name': u'Lennon'}
>>> f = OptionalPersonForm(data)
>>> f.is_valid()
True
>>> f.cleaned_data
{'nick_name': u'', 'first_name': u'John', 'last_name': u'Lennon'}

この例で、 cleaned_data の中の nick_name は空文字列なのは、 nick_nameCharField であり、 CharField は空の値を空文字列と みなすからです。各フィールドタイプは「空の」値が設定されています。例えば、 DateField の場合、空の値は空文字列ではなく None になります。 空の値を持ったフィールドの詳しい挙動は、「組み込みフィールドクラス」の節の 各フィールドの説明中の「空のフォームデータに対する値」の項目を参照してくだ さい。

個別のフォームフィールド (フィールド名ごと) やフォーム全体 (複数フィールド の組み合わせ) に対してバリデーションを実現するコードを書けます。詳しくは、 フォームやフィールドのバリデーション を参照してください。

フォームを HTML として出力する

フォームオブジェクトの二つ目の仕事は、フォームの HTML へのレンダリングです。 フォームを HTML として出力するには、フォームをインスタンス化して、 print で出力します:

>>> f = ContactForm()
>>> print f
<tr><th><label for="id_subject">Subject:</label></th><td><input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="id_message" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="id_sender" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></td></tr>

束縛フォームの場合、フォームのデータは適切な形で HTML 出力されます。例えば、 フィールドが <input type="text"> で表される場合、データは value 属 性の中に出力されます。フィールドが <input type="checkbox"> であれば、 必要に応じて checked="checked" が入ります:

>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data)
>>> print f
<tr><th><label for="id_subject">Subject:</label></th><td><input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" value="hello" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="id_message" value="Hi there" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="id_sender" value="foo@example.com" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" checked="checked" /></td></tr>

デフォルトの出力は 2 カラムの HTML テーブルになり、各フィールドが一つの <tr> タグの中に収まります。以下の点に注意してください:

  • 柔軟性をもたせるために、出力中には <table></table> タグが 入っていません。また、 <form></form> や、 <input type="submit"> もありません。これらのタグは自分で入れる必 要があります。
  • 各フィールドタイプには、それぞれデフォルトの HTML 表現があります。 CharFieldEmailField<input type="text"> で表され、 BooleanField<input type="checkbox"> になります。とはいえ、 これらは便利なデフォルト値にすぎません。ウィジェット (widget) を使え ば、フィールドの表現にどのような HTML を使うかを指定できます。これに ついては後で説明する予定です。
  • 各タグの name 属性は ContactForm クラスの属性名から直接取り出 して使われます。
  • 'Subject:', 'Message:', 'Cc myself:' といった各フィール ドのテキストラベルは、フィールド名のアンダースコアを全てスペースに変 換し、先頭の文字を大文字にして生成します。これもまたデフォルト値にす ぎず、手動でもラベルを設定できるようになっています。
  • 各テキストラベルは HTML の <label> タグで囲われています。このタグ には for 属性が付いていて、対応するフォームフィールドの id 属 性に対応しています。属性の値はフィールド名の前に 'id_' を付けたも のになります。 id 属性や <label> タグはフォーム生成の定石に従っ て組み込まれているものですが、この振舞は自分で変更できます。

テーブル組みによる出力は print した時に出力されるデフォルトで、他にもい くつか出力スタイルがあります。各スタイルはフォームオブジェクトのメソッドと して利用でき、各々のレンダリングメソッドは Unicode オブジェクトを返すように なっています。

as_p()

Form.as_p() はフォームを一連の <p> タグの集まりで組みます。各 <p> タグの中に一つのフィールドが入ります:

>>> f = ContactForm()
>>> f.as_p()
u'<p><label for="id_subject">Subject:</label> <input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>\n<p><label for="id_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_message" /></p>\n<p><label for="id_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_sender" /></p>\n<p><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></p>'
>>> print f.as_p()
<p><label for="id_subject">Subject:</label> <input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p><label for="id_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_message" /></p>
<p><label for="id_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_sender" /></p>
<p><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></p>

as_ul()

Form.as_ul() はフォームを一連の <li> タグで組みます。各 <li> タ グの中に一つのフィールドが入ります。 as_ul()<ul></ul> を出力に 含めません 。これは、ユーザが <ul> タグの HTML 属性を好きに 指定できるようにするためです:

>>> f = ContactForm()
>>> f.as_ul()
u'<li><label for="id_subject">Subject:</label> <input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>\n<li><label for="id_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_message" /></li>\n<li><label for="id_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_sender" /></li>\n<li><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></li>'
>>> print f.as_ul()
<li><label for="id_subject">Subject:</label> <input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li><label for="id_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_message" /></li>
<li><label for="id_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_sender" /></li>
<li><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></li>

as_table()

最後に、 Form.as_table() はフォームを <table> で組みます。これは print で出力したときに使われる形式と同じです。実際、フォームオブジェク トを print すると、背後では as_table() が呼び出されるようになってい ます:

>>> f = ContactForm()
>>> f.as_table()
u'<tr><th><label for="id_subject">Subject:</label></th><td><input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>\n<tr><th><label for="id_message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="id_message" /></td></tr>\n<tr><th><label for="id_sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="id_sender" /></td></tr>\n<tr><th><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></td></tr>'
>>> print f.as_table()
<tr><th><label for="id_subject">Subject:</label></th><td><input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="id_message" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="id_sender" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" /></td></tr>

<label> タグの出力設定

<label> タグは、あるラベルテキストがどのフォーム要素に対応づけられてい るかを知らせるタグです。 <label> タグがあると、フォームの利便性が増し、 入力補助デバイスで操作しやすくなります。 <label> タグは常に使うようにし ておくよう勧めます。

デフォルトでは、フォームのレンダリングメソッドを呼び出すと、各フォーム要素 に id 属性が追加され、ラベルを <label> タグで囲って出力します。 id 属性の値はフォームのフィールド名の前に id_ を付けたものになりま す。とはいえ、 id 属性の命名規則を変えたり、そもそも <label> を出力 したくない人のために、この仕様は設定変更できるようになっています。

<label> タグや id の挙動を変更するには、 Form コンストラクタの auto_id 引数を使います。この引数は TrueFalse 、文字列のいず れかで指定せねばなりません。

auto_idFalse にすると、フォーム出力に <label> タグや id 属性が含まれなくなります:

>>> f = ContactForm(auto_id=False)
>>> print f.as_table()
<tr><th>Subject:</th><td><input type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th>Message:</th><td><input type="text" name="message" /></td></tr>
<tr><th>Sender:</th><td><input type="text" name="sender" /></td></tr>
<tr><th>Cc myself:</th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" /></td></tr>
>>> print f.as_ul()
<li>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li>Message: <input type="text" name="message" /></li>
<li>Sender: <input type="text" name="sender" /></li>
<li>Cc myself: <input type="checkbox" name="cc_myself" /></li>
>>> print f.as_p()
<p>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p>Message: <input type="text" name="message" /></p>
<p>Sender: <input type="text" name="sender" /></p>
<p>Cc myself: <input type="checkbox" name="cc_myself" /></p>

auto_idTrue の場合、フォームの出力には <label> タグが入り、 各フォームフィールドの id 属性の値にはフィールド名をそのまま使います:

>>> f = ContactForm(auto_id=True)
>>> print f.as_table()
<tr><th><label for="subject">Subject:</label></th><td><input id="subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th><label for="message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="message" /></td></tr>
<tr><th><label for="sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="sender" /></td></tr>
<tr><th><label for="cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="cc_myself" /></td></tr>
>>> print f.as_ul()
<li><label for="subject">Subject:</label> <input id="subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li><label for="message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="message" /></li>
<li><label for="sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="sender" /></li>
<li><label for="cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="cc_myself" /></li>
>>> print f.as_p()
<p><label for="subject">Subject:</label> <input id="subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p><label for="message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="message" /></p>
<p><label for="sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="sender" /></p>
<p><label for="cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="cc_myself" /></p>

auto_id がフォーマット文字 '%s' を含む文字列になっている場合、フォー ム出力は <label> タグを含むようになり、タグの id 属性はフォーマット 文字列に従って生成されます。例えば、フォーマット文字列が field_%s の場 合、 subject という名前のフィールドの id'field_subject' に なります。出力例は以下のようになります:

>>> f = ContactForm(auto_id='id_for_%s')
>>> print f.as_table()
<tr><th><label for="id_for_subject">Subject:</label></th><td><input id="id_for_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_for_message">Message:</label></th><td><input type="text" name="message" id="id_for_message" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_for_sender">Sender:</label></th><td><input type="text" name="sender" id="id_for_sender" /></td></tr>
<tr><th><label for="id_for_cc_myself">Cc myself:</label></th><td><input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_for_cc_myself" /></td></tr>
>>> print f.as_ul()
<li><label for="id_for_subject">Subject:</label> <input id="id_for_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li><label for="id_for_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_for_message" /></li>
<li><label for="id_for_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_for_sender" /></li>
<li><label for="id_for_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_for_cc_myself" /></li>
>>> print f.as_p()
<p><label for="id_for_subject">Subject:</label> <input id="id_for_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p><label for="id_for_message">Message:</label> <input type="text" name="message" id="id_for_message" /></p>
<p><label for="id_for_sender">Sender:</label> <input type="text" name="sender" id="id_for_sender" /></p>
<p><label for="id_for_cc_myself">Cc myself:</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_for_cc_myself" /></p>

auto_id がこれ以外の偽でない値、つまり %s を含まない文字列のような 値の場合、 auto_idTrue に設定されたものとみなされます。

デフォルトでは、 auto_id'id_%s' に設定されています。

通常、フォームのレンダ時には、ラベル名の直後にコロン (:) が付加されます。 このコロンを他の文字に変更したり、文字を出力しないようにするには、 label_suffix パラメタを使います:

>>> f = ContactForm(auto_id='id_for_%s', label_suffix='')
>>> print f.as_ul()
<li><label for="id_for_subject">Subject</label> <input id="id_for_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li><label for="id_for_message">Message</label> <input type="text" name="message" id="id_for_message" /></li>
<li><label for="id_for_sender">Sender</label> <input type="text" name="sender" id="id_for_sender" /></li>
<li><label for="id_for_cc_myself">Cc myself</label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_for_cc_myself" /></li>
>>> f = ContactForm(auto_id='id_for_%s', label_suffix=' ->')
>>> print f.as_ul()
<li><label for="id_for_subject">Subject -></label> <input id="id_for_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li><label for="id_for_message">Message -></label> <input type="text" name="message" id="id_for_message" /></li>
<li><label for="id_for_sender">Sender -></label> <input type="text" name="sender" id="id_for_sender" /></li>
<li><label for="id_for_cc_myself">Cc myself -></label> <input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_for_cc_myself" /></li>

ラベルの付加は、ラベルの最後の文字が区切り文字 (., !, ?, : のいずれか) でない場合にのみ行われます。

フィールドの並び順について

as_p()as_ul(), as_table() ショートカットを使うと、各フィー ルドは Form クラス内で定義された順に出力されます。例えば、上の ContactForm の例では、フィールドの並び順は subject, message, sender, cc_myself です。 HTML 出力の中でフィールドの並び順を変更し たければ、クラス定義内でのフィールドの並び順を変更してください。

エラーの出力方法

束縛フォームオブジェクトをレンダすると、フォームの検証がまだであればレンダ リング操作の中で自動的に検証が行われ、エラーがあれば HTML 出力中の該当フィー ルドの付近に <ul class=errorlist> でエラー内容が表示されます。エラーメッ セージ中の具体的なエラー表示位置は、どのメソッドでフォームをレンダしている かによります:

>>> data = {'subject': '',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'invalid e-mail address',
...         'cc_myself': True}
>>> f = ContactForm(data, auto_id=False)
>>> print f.as_table()
<tr><th>Subject:</th><td><ul class="errorlist"><li>This field is required.</li></ul><input type="text" name="subject" maxlength="100" /></td></tr>
<tr><th>Message:</th><td><input type="text" name="message" value="Hi there" /></td></tr>
<tr><th>Sender:</th><td><ul class="errorlist"><li>Enter a valid e-mail address.</li></ul><input type="text" name="sender" value="invalid e-mail address" /></td></tr>
<tr><th>Cc myself:</th><td><input checked="checked" type="checkbox" name="cc_myself" /></td></tr>
>>> print f.as_ul()
<li><ul class="errorlist"><li>This field is required.</li></ul>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li>Message: <input type="text" name="message" value="Hi there" /></li>
<li><ul class="errorlist"><li>Enter a valid e-mail address.</li></ul>Sender: <input type="text" name="sender" value="invalid e-mail address" /></li>
<li>Cc myself: <input checked="checked" type="checkbox" name="cc_myself" /></li>
>>> print f.as_p()
<p><ul class="errorlist"><li>This field is required.</li></ul></p>
<p>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p>Message: <input type="text" name="message" value="Hi there" /></p>
<p><ul class="errorlist"><li>Enter a valid e-mail address.</li></ul></p>
<p>Sender: <input type="text" name="sender" value="invalid e-mail address" /></p>
<p>Cc myself: <input checked="checked" type="checkbox" name="cc_myself" /></p>

エラーリストの出力形式をカスタマイズする

デフォルトでは、バリデーション時エラーの出力内容は、 django.forms.util.ErrorList を使ってフォーマットされます。エラーの表 示に他のクラスを使いたければ、以下のようにフォームの生成時に指定します:

>>> from django.forms.util import ErrorList
>>> class DivErrorList(ErrorList):
...     def __unicode__(self):
...         return self.as_divs()
...     def as_divs(self):
...         if not self: return u''
...         return u'<div class="errorlist">%s</div>' % ''.join([u'<div class="error">%s</div>' % e for e in self])
>>> f = ContactForm(data, auto_id=False, error_class=DivErrorList)
>>> f.as_p()
<div class="errorlist"><div class="error">This field is required.</div></div>
<p>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></p>
<p>Message: <input type="text" name="message" value="Hi there" /></p>
<div class="errorlist"><div class="error">Enter a valid e-mail address.</div></div>
<p>Sender: <input type="text" name="sender" value="invalid e-mail address" /></p>
<p>Cc myself: <input checked="checked" type="checkbox" name="cc_myself" /></p>

より細かな出力調整

as_p()as_ul(), as_table() といったメソッドは、単に面倒臭が りの開発者むけに用意されているショートカットでしかなく、他のやり方でもフォー ムを表示できます。

フォーム中のあるフィールドの HTML を表示するには、フォームを辞書のように扱 い、フィールドの名前をキーにして参照し、その値を出力します:

>>> f = ContactForm()
>>> print f['subject']
<input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" />
>>> print f['message']
<input type="text" name="message" id="id_message" />
>>> print f['sender']
<input type="text" name="sender" id="id_sender" />
>>> print f['cc_myself']
<input type="checkbox" name="cc_myself" id="id_cc_myself" />

フィールドを引数にして str()unicode() を呼び出すと、レンダ結果 の HTML をそれぞれ string 型や Unicode 型のオブジェクトで返します:

>>> str(f['subject'])
'<input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" />'
>>> unicode(f['subject'])
u'<input id="id_subject" type="text" name="subject" maxlength="100" />'

フィールド固有の出力を行った場合でも、フォームオブジェクトの auto_id 設 定は有効です:

>>> f = ContactForm(auto_id=False)
>>> print f['message']
<input type="text" name="message" />
>>> f = ContactForm(auto_id='id_%s')
>>> print f['message']
<input type="text" name="message" id="id_message" />

あるフィールドに関するエラーのリストを取得するには、フィールドの errors 属性にアクセスします。このフィールドはリストライクなオブジェクトで、 HTML として出力すると <ul class="errorlist"> のリストになります:

>>> data = {'subject': 'hi', 'message': '', 'sender': '', 'cc_myself': ''}
>>> f = ContactForm(data, auto_id=False)
>>> print f['message']
<input type="text" name="message" />
>>> f['message'].errors
[u'This field is required.']
>>> print f['message'].errors
<ul class="errorlist"><li>This field is required.</li></ul>
>>> f['subject'].errors
[]
>>> print f['subject'].errors

>>> str(f['subject'].errors)
''

アップロードされたファイルをフォームに結びつける

Django 1.0 で新たに登場しました.

FileFieldImageField といったフィールドの入ったフォームの扱いは、 通常のフォームより少しだけ複雑です。

まず、フォームからファイルをアップロードさせるには、 <form> エレメント で enctype"multipart/form-data" に設定されていなければなりませ ん:

<form enctype="multipart/form-data" method="post" action="/foo/">

次に、フォームを使う場合、ファイルデータをフォームに結びつけなければ なりません。ファイルデータは通常のフォームデータとは分けて扱われるので、 フォームに FileFieldImageField が入っている場合、束縛フォームを 作るには、第2引数にファイルデータを渡さねばなりません。ContactForm に mugshot という名前の ImageField を組み込んだ場合、下記のようにして、 顔写真 (mugshot) のファイルデータをフォームに結びつけます:

# 画像ファイルフィールドつきの束縛フォーム
>>> from django.core.files.uploadedfile import SimpleUploadedFile
>>> data = {'subject': 'hello',
...         'message': 'Hi there',
...         'sender': 'foo@example.com',
...         'cc_myself': True}
>>> file_data = {'mugshot': SimpleUploadedFile('face.jpg', <file data>)}
>>> f = ContactFormWithMugshot(data, file_data)

実践的には、 request.FILES をファイルデータのソースとして指定することに なるでしょう (request.POST をフォームデータのソースにするのと同様です):

# 画像ファイルフィールドにリクエストからデータを渡す
>>> f = ContactFormWithMugshot(request.POST, request.FILES)

非束縛フォームの構築は通常通りで、フォームデータとファイルデータの 両方 を省略します:

# Unbound form with a image field
>>> f = ContactFormWithMugshot()

マルチパート形式のフォームをテストする

再利用可能なビューやテンプレートを書いているのなら、フォームがマルチパー ト形式であるかどうか前もって分からない場合もあるでしょう。 is_multipart() メソッドを使うと、フォームがマルチパート形式でエンコード されたデータの提出を要求しているかどうかを調べられます:

>>> f = ContactFormWithMugshot()
>>> f.is_multipart()
True

テンプレートの中では、以下のようにして使います:

{% if form.is_multipart %}
    <form enctype="multipart/form-data" method="post" action="/foo/">
{% else %}
    <form method="post" action="/foo/">
{% endif %}
{{ form }}
</form>

フォームのサブクラス化

同じフィールドを持つようなフォームクラスをいくつも作りたい場合、サブクラス 化を用いると冗長性を排除できます。

フォームクラスをサブクラス化すると、できたフォームクラスには親クラスの全て のフィールドが入っています。サブクラスで定義したフィールドは親クラスのフィー ルドの後に続きます。

以下の例では、 ContactFormWithPriority には ContactForm の全てのフィー ルドと、 priority という追加のフィールドが入っています。 ContactForm のフィールドは先に表示されます:

>>> class ContactFormWithPriority(ContactForm):
...     priority = forms.CharField()
>>> f = ContactFormWithPriority(auto_id=False)
>>> print f.as_ul()
<li>Subject: <input type="text" name="subject" maxlength="100" /></li>
<li>Message: <input type="text" name="message" /></li>
<li>Sender: <input type="text" name="sender" /></li>
<li>Cc myself: <input type="checkbox" name="cc_myself" /></li>
<li>Priority: <input type="text" name="priority" /></li>

複数のフォームを親クラスにしたサブクラス化も可能です。この場合、親クラスの フォームは「混ぜ込み (mix-in)」クラスのように扱われます。以下の例では、 BeatleFormPersonFormInstrumentForm を (この順番で) サブクラス化しています。フィールドのリストには、親クラスのフィールドが順番 に表示されます:

>>> class PersonForm(Form):
...     first_name = CharField()
...     last_name = CharField()
>>> class InstrumentForm(Form):
...     instrument = CharField()
>>> class BeatleForm(PersonForm, InstrumentForm):
...     haircut_type = CharField()
>>> b = BeatleForm(auto_id=False)
>>> print b.as_ul()
<li>First name: <input type="text" name="first_name" /></li>
<li>Last name: <input type="text" name="last_name" /></li>
<li>Instrument: <input type="text" name="instrument" /></li>
<li>Haircut type: <input type="text" name="haircut_type" /></li>

フォームのプレフィクス

Form.prefix

Django のフォームは、一つの <form> タグの中に複数入れられます。各々の フォームに独自の名前空間を持たせるには、 prefix キーワード引数を使いま す:

>>> mother = PersonForm(prefix="mother")
>>> father = PersonForm(prefix="father")
>>> print mother.as_ul()
<li><label for="id_mother-first_name">First name:</label> <input type="text" name="mother-first_name" id="id_mother-first_name" /></li>
<li><label for="id_mother-last_name">Last name:</label> <input type="text" name="mother-last_name" id="id_mother-last_name" /></li>
>>> print father.as_ul()
<li><label for="id_father-first_name">First name:</label> <input type="text" name="father-first_name" id="id_father-first_name" /></li>
<li><label for="id_father-last_name">Last name:</label> <input type="text" name="father-last_name" id="id_father-last_name" /></li>